FC2ブログ

Perfume to 私 と BABYMETAL

PerfumeとBABYMETALのレフトなファンの戯言

11« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»01
 

もしも高校バスケットボール部マネージャーがPerfumeのライブを観たら その6 

 おんぼろバスはガタピシ揺れながら山道を登っていった。

 学校祭が終わって夏休みに入ってすぐ、網津高校男バスは合宿に入った。

「だめだ、ケツが痛い。」吉川が文句を言い出した。

運転は監督自らしていたのだが、そのスピードの遅いこと遅いこと。

それでも監督が7日間12万円で借りてきたおんぼろレンタバスの揺れは尋常ではなかった。

辻と市谷は英文の問答をしている。合宿明けすぐに英語検定2級を受けるのだ。

根岸はiPodで何かを聞きながらブツブツつぶやいている。

水野と藤子はぐっすりと眠り込んでいる。どうやら初めての合宿で興奮して前日眠れなかったそうだ

なんといっても、この揺れの中で古文の勉強をしている立岡にも驚いた。

はなと愛子は食事の献立や計画表のチェックを終えたので、到着まで少し眠ることにした。

愛子はiPodをはなに手渡した。「これ聴いて。」

「うん、ありがとう…」はなは普段あんまり音楽を聴かない。だけど、愛子の聞かせてくれる音楽は気分を高揚させてくれる、何故か心にしみた。
なぜか文化祭以降、チョコレイト!と言われると条件反射でディスコ!といってしまうのだった。

でも、イヤホンから聞こえてきた曲は今までと少し違った。

窓の外の景色は濃い緑の葉と強い陽射しだったが、その曲には秋を感じた。

まだ経験したことないけど、恋ってこんな感じなのかな?と思いながら聴いていた。


到着したのは山奥の朽ち落ちそうなくらい古いお寺だった。

あまりもの景色に、全員呆然とした。

袈裟をきた若いお坊さんが出迎えてくれた。

「あ、やっと着いたね~」軽い口調だった。

部員は各自の荷物と寝袋をおろした。はなと愛子は食材を持って厨房に案内された。

「今から、檀家に行くからあとはよろしくね~」軽くて若きお坊さんはそういって出て行った。

宿房が隣接していて、かなり大きなお寺だった。

夕食が始まるまでの3時間は勉強時間にあてられていた。
全員、まずは夏季課題を一気に片付けるつもりだった。

予算の関係もあるのだろうけど、この山の上の寺を選んで正解だった。高地なので冷房は必要なく、自然の涼しさで夜は快適に眠れる。さらに虫に悩まされないこの環境は彼らには最適だった。

8時を過ぎたときに、若いお坊さんではなく、100歳を超えていそうな和尚さんが大広間に入ってきた。

「なんじゃ、おまえさんがたは…」

「今日からお世話になります。網津高校男子バスケットボール部です。よろしくお願いします。」

全員、その場で起立して長くて深いお辞儀をした。

「ふぉふぉふぉふぉ…よい挨拶じゃ。」

そういって和尚は手を合わせ深いお辞儀をした。

「で、今日の夕食は…?」

「すみません。お口にあうかどうか…」はながそう言うと愛子が制していった

「あ、ちょっとお待ちいただけますか?」愛子は和尚の口に合いそうなの食事を作るために厨房に急ごうとした。

「ん?心配いらないよ。私はカレーが大好物だ。カレーのほうがいいなぁ~。」

そういって、ふぉふぉふぉとヨーダのように笑った。

はなのお母さんに作り方を教えてもらった人参 たまねぎ じゃがいも たっぷりのお肉少なめのカレーライスだった。

翌日昼食のカレーうどんのために余分につくっていたカレーも彼らはペロリと食べてしまった。

ご飯も明日の朝、炊き直さなければならない。このぶんだと予算オーバーしてしまう。

とはなと愛子は計画の練り直しを迫られた。

夕食後、運動したくて仕方がない彼らはジョギングをすると表に出ていったが、あまりにもの暗闇に怖じ気付いてすぐに帰ってきてしまった。

10時就寝にむけて寝袋を広げ、準備をしたが選手たちは興奮して寝付けなかった。

監督は、「どれだけ遅くまで起きていてもいいが明日の起床3時半は厳守だからな!」と言い残し宿坊を出て行った。

はなと愛子は朝食の準備を終えた。気疲れからかクタクタになってしまった。
愛子は女子用の個室に戻りる、いつのまにか眠ってしまっていた。よほど疲れたのだろう。
そっとタオルケットを掛けてやり、はなは監督とスケジュールの確認をするために和尚さんと監督がいる部屋に向かった。

さて、年頃の男子だ。今日は移動だけで身体を動かしていない。力を持て余しているし、バスの中で少し眠ってしまった。

普段10時といえば、帰宅して夕食をたべている時間帯だ。

こういう時の話題は 怖い話か 女の子の話だ。

この古寺で怖い話をするほど彼らの肝は座っていない。となると必然的に、女の子の話だ。

吉川が口火を切った「あのな 藤子 お前、はなちゃんのこと好きか?」

藤子は突然の攻撃にうろたえてしまった「はい!」

「え!好きなのか! そうかぁ そりゃ大変だ!」」吉川は市谷を見た

「いえ!ちがうんです。今の はい は先輩の質問に対しての はい で…あ違う…えっと…」
しどろもどろになっている藤子。

それに向かって市谷は、のんびりとした喋り方で悲しそうな表情をしながら言った
「藤子。残念だったな。はなちゃんには俺がいる。」

「ええええ!」全員が寝袋から這い出てきた。

あの根岸でさえびっくりしている。

「だって、俺…毎日…はなちゃんと一緒に通学しているんだ。」

「え?それで?」吉川は突っ込んだ

「だって、それって付き合っているってことだろ?」

「え?それだけ?」 

「市谷!お前、なにいってんだよ。」

「お前 あれはペナルティだよ。 っていうかはなちゃんがお前に何か言ったのか?」

「いや、なんにも言っていないけど、眼を観たらわかる。」

「なんだと?」

市谷は吉川と立岡からボコボコに蹴られていた。

この行動で、吉川と立岡もはなちゃんに好意を持っているというのが全員にバレた。

水野はその時の根岸の表情を見逃さなかった。

「でも、藤子はどうなんだ!」市谷を押さえつけながら吉川が詰問した。

「あ えっと…僕は…あのぉ…はなちゃんの友達の…」

「なにぃ~」いつも温和な辻キャプテンが大声をあげながら藤子にフライングボディアタックをしてきた

水野も興奮しながら藤子を抑えつけた。

「愛子ちゃんに手を出したら、ただじゃおかないからな!」

「そうだ、辻キャプテンが許しても、俺は許さないからな!」

これで辻と水野が愛子を好きなのが全員にバレた。

「ちがいます。僕ははなちゃんのともだちの 奈央ちゃんが…」

言わなくてもいいのに、これで藤子の好きな子もバレてしまった。

全員が根岸を見た。

根岸はクールな顔で「俺、もう眠いから寝る。」といって寝袋に入ってしまった。

6人は根岸の寝袋を取り囲んだ。

「ね~ぎしき君 それはないんじゃないかな。」

「そうですよ根岸先輩。それはアンフェアです。」

ビクリと寝袋が動いた。

根岸はアンフェアとかずるいと言われると冷静でいられない性格なのだ。

「ずるいっすよ先輩」

「俺達の告白を聞いておいて、自分はとんずらですか?根岸くん」

根岸が寝袋から顔を出した。

「根岸先輩。さっき はなちゃんの話の時の表情でバレてますよ」水野がそう言うと

全員が驚きの声を上げた。

立岡と吉川と市谷が「負けた!」「絶望だ!」「なんでまた…」と泣きそうな声を小さくこぼした。

そして、突然。

「お前には、佳子ちゃんが似合っていると思う。」立岡が言い出した

「そうだ、佳子ちゃんは藤原先生に負けないくらいの美人だ。」と市谷

「そうだよ。はなちゃんはちいさ過ぎる!それに子供みたいな顔しているし、それに、胸なんかぺちゃぱ…」
吉川が大きな声でそういったとき。

明日の天気は荒れるので起床時間を4時に変更をするという連絡をしに来た はなちゃんが 大広間の入り口に立っていたのだった。



4時に起きて、本堂を一時間かけて掃除し終わって食堂に戻るメンバーたち。

食堂に入った瞬間、全員が顔を見合わせた。 はなちゃんはいない。

愛子もなんだか表情が暗い。

合宿二日目とは思えないどんよりとした空気が漂った。


食事が終わると雨の中、バスに乗って山を下った。

古い木造校舎の中学校の体育館で降りると、地元の小中学生達が沢山いた。

一緒に朝のラジオ体操をした後、彼らにバスケットボール教室を開くことになっていた。

はなちゃんがいないことが気になったが、子供たちの笑顔で少し気がまぎれたメンバーだった。

7時になって子供たちが帰って行くと、愛子が地元産の搾りたての牛乳を全員に配った。

牛乳を飲むとお腹をくだしちゃうという吉川や水野だったが、ヨーグルトを少し入れてあるから大丈夫。
そう言って、愛子は飲み干すまで睨みつけていた。

愛子の言うとおり、ヨーグルト入りの牛乳は濃厚だったにもかかわらず、誰もお腹を下さなかった。


「あの~愛子ちゃん。はなちゃんって…」

そう誰かが質問しようとすると

愛子は鋭い目で睨み返し「さぁ わたしは もう 知らない」というのだった。

監督は、中学校に全員を降ろすとどこかにいってしまったので、午前中の練習は辻と根岸が進めることになっていた。

朝5時の食事だったので、10時を過ぎた頃にはかなり空腹になっていた。

いや、この日の朝食はみんな喉を通らなかったのだ。それでも、これだけ練習したら空腹にもなる。

第1部の練習が終わって1時間の休憩時間になった。

すると、どこかからか美味しそうな肉の香りがしてきた。

そう、朝の子供たちの保護者がごちそうの準備をしてくれていたのだ。

ハンバーグに新鮮な野菜。メンバーはその小柄な身体に似合わない食欲で全て平らげてしまった。

「あれ? 私の分は?」 愛子がコートの後片付けを終えて帰ってきてそういった。

11時からバスに乗ってすぐ近くの高校の体育館に移動した。

体育館ではやる気満々の吉野高校バスケットボール部が迎えてくれた。

一番近くの高校でさえ自動車で2時間以上かかる彼らは練習試合に恵まれていなかった。

顧問もそれほど熱心ではなかったので、練習試合ができるだけで幸せそうな顔をしていた。

そう、数カ月前の網津高校男バス部と同じような顔をしていた。

ただ、体格はよくてやはり平均身長で網津を10cm以上は上回っていた。

田中監督は試合前にこういった。

「一切手を抜くな。それは失礼にあたる。そして…今朝、子供たちに教えたことを忘れるな。」

采配は根岸が行うので、監督と藤子は審判をすることになった。

第1ピリオドから、網津高校は全力を出し切った。自分たちも文化祭前から試合に飢えていた。

朝の練習も試合形式ではなかった。

不安はあったが、頭の中では何度も何度も試合のシミュレーションをを繰り返していた。身体は軽く、パスの正確さも増していた。

32対6 圧倒的だった。

第2ピリオドになると、網津のスピードは更に上がった。

パスカットもすべて成功し、辻の3ポイントシュートも成功率70%を超えた。

途中から吉川と代わった藤子も活躍した。


第2ピリオド終了 79対15

吉野高校の顧問がやってきてこういった

「いやぁ~強いですねぇ~ もう勝負がついちゃいましたね。申し訳ないのですが、ここで終わりということに…彼らも自信がなく

なちゃうから…」

田中監督はひょうひょうとした声でこう答えた。

「そうですか?吉野高校の選手はまだまだやる気満々ですよ。勝負は最後までわかりませんよ。」

そういって吉野高校ベンチを指さした。


吉野高校の選手は作戦盤を囲んで真剣に話し合っていた。

第3ピリオドが始まると、オールコートマンツーマンディファンスを仕掛けられた。

大堀中学女子との対戦以降、本格的な実戦形式の練習は一切していなかった網津高校はまんまとその作戦にはまってしまった。


慌てて相手にパスをしてしまったり、ゴールボードにボールをぶつけたり。

プレッシャーに慌ててトラベリングをしたり…

根岸はタイムを取った。

「あせるな!落ち着け!っていっても駄目だろうな。」

みんなを見つめながら、何を言うべきか悩んでしまった。

ベンチにいた吉川がこういった。

「俺達はなにをやっているんだろうな?なさけないな。昨日の夜といい…この試合といい…」

そういいながらあの吉川が泣き出してしまった。

根岸は「そうだな。せめて勝とうよ。連敗記録を阻止して。ちゃんと勝利して…はなちゃんと愛子ちゃんに謝罪しよう。」



「123…OH!」

タイムを終えた網津高校は別のチームに成長していた。

第3ピリオドが終わった時点で95対47

第4ピリオドでは、網津のスピードについていこうと懸命に走り続けた吉野高校の選手が次々と足を痙攣させて倒れてしまった。

また、疲れからシュートの成功率が極端に落ちてしまい点数を取れなくなってしまった。

それでも、網津高校は攻撃と守備の手を緩めなかった。

そう、今朝、小学生にいった言葉を思い出していた。

「あきらめたら、そこで終わり。全力で頑張り続けると夢はいつか叶うと思う」


試合後、吉野高校の選手は号泣していた。それは試合に負けた悔しさではない。

自分たちの力不足を、努力不足に気がついたからだ。

そして、全力で試合をしてくれた網津高校に対して感激していた。

かれらもまた、試合の中で馬鹿にされることが多かったのだ

彼らの握手は熱かった。強くなるから、また必ず試合をしてくださいという思いが伝わった。

網津高校の選手は、連敗記録阻止がこの場所で達成できたことを誇りに思った。

そして吉野高校の選手はかならず強くなると確信したのだった。 
 


関連記事
スポンサーサイト



カテゴリ: もしも高校バスケットボール部マネージャーがPerfumeのライブを観たら

[edit]

Posted on 2010/11/17 Wed. 18:30    TB: 0    CM: 0

この記事に対するコメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://ceramicodisan.blog137.fc2.com/tb.php/599-f46c7006
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

カテゴリ

最新記事

最新コメント

検索フォーム

訪問者数

ブロとも一覧

ブロとも申請フォーム

リンク

月別アーカイブ

最新トラックバック

RSSリンクの表示

QRコード