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Perfume to 私 と BABYMETAL

PerfumeとBABYMETALのレフトなファンの戯言

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もしも高校バスケットボール部マネージャーがPerfumeのライブを観たら その9 

根岸の復帰が決まったとき、水野は愛子ちゃんに告げた

愛子ちゃん 今度の試合…出れるかどうか分からないけど…

もし、根岸先輩より活躍できたら…僕と一緒にデートしてくれないかな…

あ…付き合ってとかそういうのは諦めているから…

ただ、全力を出し切ったら…いや…今の僕なら全力を出しても根岸先輩には到底かなわない…

でも、奇蹟を起こせるとしたら… だから…愛子ちゃん。

僕が奇蹟を起こせるように魔法をかけてくれないかな…

なんてことを根岸のトレーニングを手伝っている愛子に向かって、心のなかで語りかけ、勝手に盛り上がっている水野に怖いものはなかった


「すみません。ちょっと着地の時に捻ったみたいで。でも大丈夫みたいです。」
根岸は右足を引きずりながらベンチに戻ってきた。そして水野の肩をがっちりと掴んだ。

「悪いな。後を頼むぞ。」

「はい。任せておいてください。」水野はきっぱりとそう言ってコートに出ていった。

「監督、すみません。やっぱり、みんなのスピードはすごかったです。」

「そうだな、うちの選手のV字やL字カットの動きが凄くいいな。」

「みんなに合わせて動いていたら、思ったより負担が大きかったみたいです。」
「で、これでとにかく12点って考えたら…調子乗っちゃって…」

「でも、いいタイミングだった。ダンクを決めた瞬間、相手チームはメンバーの総入れ替えを考えたはずだ。だが、不幸中の幸い。お前が派手に倒れてくれたおかげで交代のチャンスを逃してくれた。」

「そうですか。そういってもらえると嬉しいです。」

滴り落ちる汗をタオルで拭きながら、笑顔で根岸は監督にこたえた。

「で、相手チームはどうだった?」

「はい、監督の考えているとおり、エンジンがやっとかかってきたみたいです。」

「そっか、水野がどれだけお前と同じ働きができるかどうかにかかわっているな。」

その時、はなちゃんが叫んだ「監督!」

水野が、先ほどと全く同じように市谷からタップパスを受けてダンクを試みようとした。

ドーン!

見事に水野は失敗してお尻から床に落下した。

ピーー! 「トラベリング!」審判が笛を吹いた。

会場に爆笑が起こった。

水野はのろのろと立ち上がり、ディフェンスに戻った。

「水野くん!頑張って!」はなちゃんは叫んだ!

水野は泣きそうな顔でベンチを振り返った。

はなちゃんは、手に持った鉛筆で愛子ちゃんの方をちょんちょんと指さした

「グッジョブ!」監督ははなちゃんを褒めた。

愛子ちゃんはスコアをつけるのに必至だったが、はなちゃんの声で顔を上げたところだった。

水野は愛子ちゃんがいってくれた言葉だと勘違いしてくれた。

それからの水野の動きは冷静に戻った。

相手の控え選手の動きが良くなってきたこともあって、試合は均衡した。

62対82で第3ピリオドを終えた。

「よし、相手はこのまま控えの選手を出し続ける。もしかしたら、さらに控えの選手を出してくるかもしれない。いいか、2分過ぎたら一気にオールコートゾーンプレスだ。」

「はい。」

「点差が詰まって、スタートメンバーに変わったら、スティールを狙え。そして、辻は3ポイントシュートに見せかけたエンドライン付近へのループパスだ。」


四條八須の監督は、応援席の保護者に気を使っていた。特に父母会長の息子をどのタイミングで出すか迷っていた。その為、コートで網津が狙っていることに気がつかなかった。

残り8分で20点差。四條八須は父母会長の息子に交代を告げた。

その時、突然、網津の動きが変わった。

物凄い動きでオールコートゾーンプレスをかけてきたのだ。

それだけではない。

ドロップスの応援に合わせて、突然、大きな怒鳴り声が重なってきたのだ。

そう、仕事を終えて漁協青年チームの人達が応援に駆けつけてくれたのだ。

「網津!!」 体育館が震えそうなくらい、海で鍛えた銅鑼声が響いた。

焦った四條八須の控え選手はミスを連発した。

点差を詰められていく… 18…16…15…14…差

残り7分で14点差。 普通に逆転できる点差に縮まった。

「タイムアウト!」四條八須はタイムを取った。

田中監督は満面の笑顔で選手を迎えた。

「よくやった。これで…じっくり30分間身体を冷やした選手が出てくるわけだ。」

「は?」

「集中力が一旦とれた選手、身体を休ませてしまった選手が出てきても恐ろしくない。」

「はい!」

「積極的に行け! 前半に抑えられたプレイが出来るはずだ!」

「はい!」

「彼らは自分たちが思っている以上に焦っている。必ずファールをもらえる。」

監督の計算通りだった。

突然の圧倒的な応援

スピードが落ちるどころかエンジン全開の状態の網津の選手

急な交代で焦って出てきた四條八須の選手

11…9…7…点差 残り1分

ピーー! 辻が3ポイントシュートを打とうとした瞬間に四條八須のガードが接触した。

時計が止まり、辻はフリースローラインにたった。


「おい、辻! 一緒にバスケットボールやらないか?」

中学生の時にイジメにあってから、自宅にこもりがちになり、摂食障害を起こして肥満になっていた自分に声をかけてきたのは立岡だった。

「まぁ、部活に入らなくてもいいんだけど… ダイエットのつもりでさ…」

立岡は誘いながらも、辻には無理だと思っていた。

体育の時間でも、あまりにも走るのが遅くて馬鹿にされている奴だ。

だが…辻はとても頭が良くて性格の優しい奴だった。

クラスの男子全員を誘っておきながら、彼だけを誘わないというのは、彼を無視したことになる。それは嫌だ。

立岡は、彼の返事を待った。

「うん。やってみる。」辻はそう答えた。

その時、辻は単純に誘ってくれた立岡に感謝しての返事だった。

だが、練習はきつく初日でやめようと決心した。

根岸が辻の肩をつかんだ。

「もしかして、子供の頃バスケットやっていた?」

「あ…ん ちょっとだけ。父親が小学生の頃、よくシュートの打ち方だけ教えてくれたんだ…」

「へぇーやっぱり。でミニバス?」

「ううん。僕が住んでいたところは少年野球が盛んでミニバスはなかったんだ。」

「ふーん。お父さんはバスケット関係の人?」

「いや、高校の時にバスケットをやっていたらしい…」

「そっか…それであんなにきれいなフォームでシュートを打つんだぁ…」

「え?」

「今度教えてよ。俺はスリーポイントシュートの成功率が低いから…」

根岸は辻の肥満のことをまったく気にしていないようだった。

ほとんど練習についていけない状態でも辻は休まなかった。

田中監督はいつも基本的なトレーニングメニューを終えるまで辻に付き合っていた。

上級生たちが監督に不満を持った。

「なんで、フォーメーションとか技術指導してくれないんですか?」

「どうして走ってばかりなんですか?僕たちは陸上部じゃありません。」

田中監督はそれでも、選手たちを走らせ続けた。

そして、練習の終わり際にいくつかの技術を教えた。

それはとても簡単でありながら、実戦に役立つものだった。

しかし、多くの部員はそんな基本的なことはやりたくなかったのだ。

ひとり、またひとりと先輩たちは辞めていった。

残ったのは1年生の立岡 辻 吉川 根岸 市谷だけになった。

辻は意地でも辞めなかった。ここで辞めたらすべてが終わるような気がした。

やがて体重は落ちていき、信じられないくらい走れるようになった。

根岸の3ポイント成功率はすでに辻を超えていたのだが、吉川や立岡が教えを乞いにきた。

自分の居場所をやっと見つけたような気がした。

2年生に進級したときに、監督が辻をキャプテンに推薦した。

選手のみんなは、彼が一番苦しかっただろうことを知っている。そしてそれを乗り切った彼を尊敬していた。

このフリースローで三点が決まることをチームの誰もが疑っていなかった。

音はしなかった… 

あまりにもきれいなシュートだった。

4点差になった。

残り時間1分。



四條八須の監督は網津高校がタイムをとるのを待っていた。自分たちはあと1回しかタイムが取れない。網津は2回残っているから必ずとると信じていた。

だが、網津は残り時間30秒を切っても時間を取らなかった。

4点差を逃げきるための指示をするために四條八須はタイムをとってしまった。

「いいか、24秒を使い切れ。時間をかけて攻めれば良いのだ。」

ホイッスルが鳴って試合再開。

突然、立岡が相手ボールをスティールした。

一瞬の出来事だった。

時間を使うためにパスを回そうとするのを見逃さなかった。

水野は相手ゴールに走りこんでいた。まるで立岡がスティールするのを知っていたかのようだった。

美しいレイアップシュートが決まるはずだった。

しかし、シュートはリングに当たって跳ね返ってしまった。

バシ! 市谷がリバウンドを取った。

そう、水野が外すのを知っていたかのように走り込んでいた。

四條八須の選手が焦った。

ピーーー! 市谷のタイミングをずらしたリング下のシュート

スポッ 

四條八須の選手に接触されながらも見事にシュートが決まった。

2点差。

「シュートカウント! ワンシュートペナルティ!」

審判のジャッジが体育館に響いた。

っわあああああ! 物凄い声援が上がった。

次の試合に控えてコートに集まっていたチームからも歓声が上がった。

誰も予測していなかった。

四條八須が一回戦で弱小網津高校に敗れるかもしれない…

声援のなか、いちばんフリースローが苦手な市谷

ペナルティーシュートが決まれば1点差だ。

ここで四條八須の監督は大声を上げた。

だが、その指示は選手に届かなかった。

さっきタイムをとらなければよかった。四條八須の監督は床を叩いた。

ここで1点差になっても、残り時間は8秒しかない。

8秒間ボールを保持すれば勝利は確定なのだ。

冷静な選手であれば十分に理解しているはずだ。

だが、四條八須はこのような試合展開を経験していなかった。

さらに会場の盛り上がりは凄すぎた。

そして…網津の監督はここで吉川に代えて根岸を入れたのだ。

その意味するとこをを、四條八須の選手は理解できなかった。


市谷はゆっくりとシュートを打った。

しかしそのシュートは山なりではなく一直線にリングに向かった。

その瞬間、四條八須のキャプテンは気がついた。

だが…遅かった。

リングにあたったボールに根岸が喰らいついた。

水野は腰を落として進路を確保した。

走りこんできた市谷にタップされたボール。

市谷は真後ろにパスを出した。

立岡のスクリーンを使って走りこんできたノーマークの辻がいた。

辻は柔らかく美しいフォームでボールを解き放った。

高いループ。

静寂

試合終了のブザーの音

音もなく

ネットを揺らすこともなく

ボールは床に落ちた。

審判の手が上がる。

両手の指が三本、親指人差し指中指立てられている。

ピーーーー! 3ポイント カウント! 試合終了!

78対77

公式戦でも連敗記録を阻止した網津高校男子バスケットボール部だった



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カテゴリ: もしも高校バスケットボール部マネージャーがPerfumeのライブを観たら

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Posted on 2010/11/22 Mon. 14:56    TB: 0    CM: 0

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